精進料理とベジタリアンについて

精進料理とベジタリアンについて

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  • 投稿カテゴリー:仏法

精進料理の本来の意味を考えてみよう

巷でよく聞くベジタリアン(菜食主義)メニューや精進料理には様々なものがあります。本来の精進料理とは、魂のある生き物を一切使用しない料理になりますが、昨今の料理レシピサイトで掲載されている精進料理ではダシが使われていたり、オイスターソースが使われていたり、調味料で生き物が普通に使用されている物を多く見かけます。
ここで今一度精進料理の目的を考えてみましょう。精進料理の目的は、生き物を殺さない(五戒の中の不殺生)を守るために考えられたメニューですので、生き物を使用することは禁じられております。たとえ表に出てこない調味料であろうが隠し味であろうが使用することは本末転倒となります。
魂ある生き物を使わないだけでも、食材の選択肢はかなり狭くなり、食べられるものもかなり限られてきます。精進料理やベジタリアンを貫くということは想像以上に難しく、特に外食の機会が多い方はご苦労も多いかと思います。

ベジタリアンや精進料理の健康効果

ベジタリアンや精進料理だけでは栄養が不足すると思っている方も多いかと思いますが、不足がちなのは動物性食品に含まれるビタミンB12くらいで、他に不足する栄養素はほとんどありません。
もし仮にベジタリアンや精進料理のみの生活で不健康になるのであれば、僧侶はみんな不健康になってしまいます。僧侶はみなさん健康的であり、そして多くの僧侶が長寿であります。ではなぜ肉を食べないことにより健康的になるのか考えてみましょう。
肉を食べると腸の中で腐敗します。すると腸内細菌が減少し、結果免疫力が下がり、病気に対する抵抗力も低下していくのです。
腸は第二の脳と言われるくらい大切な身体のキーパーツです。三大疾病(がん、心疾患、脳卒中)患者の腸内は、正常なピンク色ではなく、黒色に変化します。それは病気になったから腸内が変化したのではなく、腸内の免疫力が下がったために発病していると考えられます。
そして野菜には抗酸化作用の成分(抗酸化ビタミン、ポリフェノールなど)が多く含まれたものがたくさんあります。身体の老化を抑制し若々しさを保つためには、抗酸化作用と腸内環境の健全化は非常に重要です。

肉が食べたいときにオススメなのかソイミート

出典:マルコメ株式会社

ベジタリアンであっても、人によってはたまに肉を食べたくなる時もあるかもしれません。そんな時に便利なのが、大豆で作られたお肉であるソイミートです。
ソイミートはその名の通り大豆から作られているため、動物を殺生しておりませんので戒律を守ることもできますし、本物の肉とは成分が異なり、大豆としての栄養素を摂取すつことができるため、低カロリーで健康的で、最近の健康ブームの追い風もあって、多くのメーカーからソイミートがリリースされております。
そして料理レシピサイトにも、ソイミートを使用したレシピが数多く掲載されておりますので参考にしてみると良いでしょう。

不殺生の重要性

仏法的な視点から肉を食べるということを、簡単に説明すると魂が汚れます。それは間接的に生き物を殺しているために、自分の魂に「殺生」が刻み込まれていくためです。
私は動物なんて殺していないと思うかもしれませんが、あなたが牛肉や豚肉や鶏肉を食べることにより、食肉産業というものが存在し、牛や豚や鶏が残酷な殺され方で殺生されていきます。
皆さんは殺生の現場を直接見たことがないので、殺生の実感は無いかと思いますが、殺生の実体をインターネットで調べてみるとわかります。死後の地獄は決して見ることができませんが、畜生界という地獄は私達の目で見ることができます。動物たちに人間の欲望のために地獄の苦しみを与えることは決して許されることではありません。
五戒や不殺生についての詳しいお話はまた別のブログにてご説明したいと思います。