お盆特集ブログ「おばけ」について

お盆特集ブログ「おばけ」について

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  • 投稿カテゴリー:仏法

もうすぐお盆の季節ということで本日はお盆に関する基本的な仏法知識について書いていきます。
今回は「おばけ」についてです。
いつも通り本ブログは原始仏教(本来のお釈迦様からの教え)からの知識で記載しておりますので、専門用語も度々出てきますが、なるべくわかりやすく解説していきたいと思います。

「おばけ」とは

お盆といえばおばけの季節というイメージを持っている方もいらっしゃるかと思いますが、おばけは季節を問わず存在します。
まず「おばけ」というのは寿命を迎える前に肉体が滅びてしまった魂のことを言います。
ここで言う寿命とは、死神(ヤマー)が迎えに来る日を言います。死神と聞いて悪いイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、実は魂を守護して安全に霊界まで連れて行ってくれるありがたい存在です。もし死神に守護されず人間界をさまよっていたならば、邪悪な存在(バッドスピリッツ)に食べられて一時的に輪廻を輪から抜け出てしまう羽目になります。
つまり寿命を迎える前に肉体が滅びた魂をおばけと言い、寿命で亡くなった魂はおばけにはならず、すぐに霊界へ入ることになります。もちろんおばけも寿命を迎えれば霊界に行くことができます。人間の寿命は長くても100年ですので、数百年もおばけで存在し続けるということはまずありえません。

お墓はおばけにとって大切な存在

前述した通り、寿命を迎える前に肉体が滅びた魂がおばけとなるわけですが、まわりには邪悪な存在が多くいるため、おばけは邪悪な存在に食べられないように逃げる必要があります。
おばけを邪悪な存在から守ってくれるのが、お墓にある五輪の塔と言われております。ここに逃げ込めば邪悪な存在に襲われることはありません。本来の寿命を迎えるまでそこで待っていれば、いずれ死神が迎えに来てくれます。

死神に連れて行かれた魂はどうなるのか

死神は地獄の門番(タウェースワン)のところまで魂を連れていきます。その後、閻魔大王(ヤマラージャ)のところまで連れて行かれるのですが、寿命を迎えてから100日間の猶予期間の後、閻魔大王の所へ行きます。
死者の供養は死後(寿命で亡くなっている場合)100日間で行うことが最も有効です。家族なり故人と親睦があった人は、100日間の間に故人の魂に自分の徳分を捧げて、故人が閻魔大王の審判を受ける際に、良い世界へ行けるように願います。(戒名ではなく生前の名前で徳分を捧げることが重要です)

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100日過ぎても魂に徳分を送ることはできますが、審判が下った後なので、行き先に変化はありません。しかしたとえ地獄に行ったとしても、徳分をもらうことで地獄での刑が軽くなったり、易しくなることがあるそうです。
お盆とは先祖の魂に徳分を送り込む日です。そしてその日は旧暦の7月15日と厳密に決まっているのは、以前のブログ「間違われている本当のお盆供養日」で解説した通りです。

おばけには2種類存在する

通常のおばけのことをドワンジット(ドワンジッ)と呼びます。そして誰からも徳分をもらえず飢えている魂のことをサンパウェーシーと言います。サンパウェーシーは夜の海岸によく存在するようです。

魂は一度霊界に入ると戻ってこない

お盆は先祖の魂が、我々の世界に戻ってくると思っている方も多いようですがそれは間違いです。一度霊界に入った魂は霊界での修行を終えるまでは霊界からは出ることができません。更に言えば生前の記憶は霊界に行った時点で消される(正式には一時的に隠される)ため、こちら側の世界に残った家族のことはまったくわかりません。ゆえに私たちが先祖のために供養をして徳分を送ったとしても、先祖の魂は誰から徳分をもらったのかは理解できないのです。

では守護霊って一体何者なのか?

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そして守護霊だと思っている存在は大抵スピリッツ(世間一般的に言う神々)であることが多いです。スピリッツはその姿を自由に変えることができるため、両親や祖父母の姿になってあなたを助けたり守護してくれることもあります。守護霊の存在を感じて人生が成功している人はそれだけ神聖な存在に愛されているということになります。
前述した通り、魂は一度霊界に入ると戻ってこないため、先祖の魂が自分を助けてくれるということは、話としては素敵な話ですが、現実的にはありえません。

また、先祖が祟るということも原則としてはありませんが、バッドスピリッツと共謀して攻撃してくることはありえます。
よく戦国武将の祟とか呪いとか聞きますが、人間の寿命を考えれば、おばけとして存在することはできず、必ず霊界に存在しているため、ありえない話です。

おばけよりも肉体を持っている人間の方が圧倒的に強い

おばけは見えない存在であるので、恐怖を感じることもあるでしょう。しかしエネルギー的には我々肉体とJITを魂の3要素で構成されている人間のほうが圧倒的に強いです。ですのでおばけ起因の霊障というのは通常はありえません。但しおばけと邪悪な存在(バッドスピリッツ)が手を組むと、人間は勝てません。身の回りにどんなおばけが存在しているのか見えませんのでつねにプロテクトする必要があります。

総括

おばけとは基本的には人に害を及ぼせるほどの力はありません。しかし人々はおばけに対しての恐怖心を持っています。つまりおばけは、恐怖心が作り出したイメージに過ぎないということです。
但し、おばけもバッドスピリッツと共謀すると、人間よりも強くなり、霊障など私たちに何かしらの影響を与えることもあります。
そして寿命と肉体が滅びる日は必ずしも一緒ではないということを覚えておきましょう。寿命を迎える前に肉体が滅びた場合のみおばけになります。そしておばけもいずれ寿命を迎えれば霊界に入ることになります。

次回のお盆特集は、お墓参りについて誰も教えてくれないお墓参りの基本的ルールを解説していきたいと思います。